EPOCHS体験レポート
軽井沢といえば日本で有数の閑静なリゾート地として有名なエリア。そして今回会場となったのは軽井沢駅から車で15分の場所にある国立公園内のアウトドアリゾート。東京から新幹線なら約6000円で約1時間、高速バスなら約2500円で3時間ほどで軽井沢駅に到着するというアクセスの良さに加え、駅からオフィシャルの無料送迎バスも用意されており、スムーズに会場入りできた。
非日常感のある野外フェスが体感できて日帰りの選択が気軽にできるという点はこのフェスの強いアドバンテージ。また9月末の軽井沢ということもあり一足先に秋の装いができるのも嬉しいところ。実際当日は20度前後の過ごしやすい気温だった。
個性的な3つのステージと多彩なラインナップ
「EPOCHS」のステージは全部で3ステージ。ヒッポヒップやシンガーソングライターを中心としたROOTSステージ、主にDJがラインナップされたNAGISAステージ、そしてメインとなるGRAVITYステージ。各ステージともに装飾が個性的だったが、特に実験的だと感じたのは、NAGISAステージ。客席側と演者側の間に川が流れ、演者の頭上には巨大な円形状のミラーが吊り下げられていた。客席エリア背後には地元の方から借りたという巨大なサウンドシステムが備えられていた。
また出演ラインナップも豪華。初日はSTUTSを筆頭にkZmやSkaai、Daichi Yamamotoとヒップホップ色が強いなかにも、iriやyonawo、ペトロールズなど若い世代に人気のアーティストが揃い、さらにYONLAPAやDOUDOU from 福禄寿 FloruitShowなどアジア各国からも気鋭のアーティストを招聘。ダンスミュージックもCYK、DJ NOBUがラインナップされるなど、音楽性としては多彩だが、若い世代の音楽リスナーがもつ共通項をしっかりと抑えつつ、新たな音楽との出会いが生まれるような構成は絶妙だった。
2日目はWONK、大貫妙子、折坂悠太、MIZ、maya ongakuなど、初日よりゆっくりとした時間が過ごせるようなアーティストに加え、SuchmosのフロントマンYONCE率いる新バンド “Hedigan’s”の初ライブやアジア勢の出演など、新しい音楽との出会いも抜かりがなかった。
過ごしやすいゆったりとしたフィールドに特別なアート空間
フェス名に”Music & Art Collective”を冠しているだけあって、「EPOCHS」にはアートのキュレーターに金秋雨を立て、会場に複数のアート展示が行われていた。常設テントではアーティストによる展示、さらに「EPOCHS」のキービジュアルやロゴデザインを手がけたYOSHIROTTENによる森の中でのサウンドビジュアルインスタレーションも実施。ほかにもGOROPIKAによるファイヤーダンスが行われる時間があったりと、前述したステージ装飾の素晴らしさもあわせて、フェスという祝祭音楽空間にしっかりとアートが溶け込んでいた。
またGRAVITYステージは全面芝生で座りながらライブを観られるし、他のエリアにも机や椅子などが設置されている箇所もしっかりあり、遊ぶと休むをいつでも切り替えられるフェスというのは体力的にも助かり、最後まで楽しみきれることができた。今までライブを観たことのあるアーティストだったとしても、この空間でみることが特別と感じる、そんな音楽の魅力をさらに引き立てる素晴らしいフェスが新たに軽井沢という地で生まれたことは個人的にも、音楽ファン全体にとっても喜ばしいことだろう。
会場フォトギャラリー
アフタームービー
Text/Photo:江藤勇也
スペースシャワー主催「EPOCHS~Music & Art Collective~」最終発表でWONK、kZmの2組追加。タイムテーブルも公開
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