今年で3回目となる開催を5月に控えた「EDC Japan」。つい先日の2月23、24日に行われた「EDC Mexico」にはSkrillex、Alesso、Dimitri Vegas & Like Mikeや Excision、Kygoといった豪華な顔ぶれが勢ぞろいし、来場者は23万人を超え大盛況に終わったようだ。日本もこの波に乗って、盛り上がること間違いなし!そこで、希望的観測大な“今年の「EDC Japan 2019」は誰が来る!?”予測をしてみた。(Text by Atsuko Tanaka)
Tiësto(ティエスト)
過去「EDC Japan」でプレイしたメインDJを見返した上で、今年の可能性を考えると、Armin van BuurenかDon Diablo、Tiëstoあたりが来そうなんじゃない?どのDJも捨てがたいけど、ここは、EDM界でトップを走り続ける王者のTiëstoに一票と行ってみよう。オランダはブレダ出身、今年50歳になったTiëstoの活動歴は、90年代後半に遡る。自らレーベルを立ち上げ、活動をスタートし、2001年にデビューアルバム『In My Memory』からヒット曲を生み出した。確固たる地位を築いた彼は、2002年から3年間続けて、DJ MagazineのトップDJ100で堂々たる1位に輝き、それ以降も毎年上位6位内に君臨し続けている。また、2004年に行われたアテネオリンピックの開会式では、史上初めてDJとしてパフォーマンスをして、ダンスミュージック界に大きな功績を残した。“EDM界のゴッドファーザー”と呼ばれる通り、やはりTiëstoは別格!
他にも、2008年に自身のアルバム『Elements of Life』がグラミーにノミネートされたり、John Legendの「All of Me」のリミックス曲が2015年にBest Remixed Recording, Non-Classical部門で受賞するなど、彼のすごさを取り上げたらきりないが、若手DJの育成にも力を入れ、同国出身で、Tiësto に尊敬の意を持つHardwellやMartin Garrixらをサポートする姿にも感銘を受ける。さらに、昨年、Tiësto がDzekoと手がけたPremeとPost Maloneの曲「Jackie Chan」は、これまでのTiëstoのキャリアで一番のヒットとなった。結婚に向けて幸せいっぱいのTiësto、ラブパワーを「EDC Japan」で放ってほしい。
Alesso(アレッソ)
もう一人エレクトロニカ系DJを推測するとしたら、超個人的な希望も含めて(笑)、今年の「EDC Mexico」に出演したAlessoの線が濃厚なのでは!?ご存知、甘いマスクを持ったイケメンのAlessoは、スウェーデンのストックホルム出身で現在27歳。7歳でピアノを始め、16の頃からEDMに興味を持つ。2010年に「E:P」を出し、DJとしての活動をスタートした2011年に、DJ MagazineのトップDJ 100の70位に登場した。また、Alessoがリミックスを手がけたNadia Aliの「Pressure」は大ヒットとなり、2012年にイギリスの人気フェス、「クリームフィールド」にて大観衆の前でDJの腕前を披露することとなる。
彼の人気は加速し、2013年には「EDC」を始め、「コーチェラ」や「ウルトラ」、「トゥモローランド」などにも出演。現在もなお彼へのラブコールは冷めやらない。今年の「EDC Japan」で、「Heros」やCalvin Harrisとのコラボ曲「Under Control」、スペイン出身のシンガーソングライター、Sirenaが歌う「Sweet Escape」、Conor Maynardの「Remedy」などなど、Alessoのアンセム曲をみんなで大合唱したい!
Drake(ドレイク)
「EDC」はハウスやダンスミュージックのエレクトロニカ系だけではなく、ヒップホップなど、違うジャンルの音楽も積極的に幅広く取り入れていくそう。「EDC」創始者のパスカーレは元Bボーイ(ブレイクダンサー)だから、どのヒップホップアーティストを選ぶかもちろんこだわるだろうし、ヒップホップラヴァーである私にとっても、この予測が一番頭を悩ませたりする(笑)。本当だったら、Childish Gambino!と言いたいところだけど、現実的に難しそう…じゃあTravis Scottあたり?でも、スケジュール的になさそう。ということで、3月からイギリスでのショーを皮切りに、ヨーロッパツアーがスタートするDrakeを選んでみた。
Drakeをご存知の方も多いだろうが、カナダはトロント出身のラッパーで、これまでアメリカのビルボードによるHot Rap Songsにおいて、Kanye Westを抜かしての18曲が、Hot R&B/Hip-Hop Songsにおいては、Aretha FranklinやStevie Wonderといったレジェンド達に引けを取らない19もの曲が、堂々たる1位を飾るという快挙を果たしている。また、アメリカで成功しても、地元トロントへの恩返しを続けたり、昨年リリースされたMV「God’s Plan」でも、制作にかかる1億円もの予算を本当にお金を必要とする一般の人達や学校に寄付するなどしており、その姿からは、見せかけでないDrakeの心と愛を感じることができる。コミュニティを大事にする「EDC」に、Drakeはまさにピッタリなアーティストなのでは!?
Dua Lipa(デュア・リパ)
今年のグラミー賞で見事新人賞を獲得し、涙を流して喜んだDua Lipaの姿が記憶に新しい人も多いだろう。コソボ出身の両親を持ち、イギリスのロンドンとコソボで育ったシンガーソングライターのデュパは、2015年にシングル曲「Be the One」でデビューを果たし、2017年に待望のアルバム『Dua Lipa』をリリース。同アルバムからシングル化された「New Rules」は、同じくイギリスのディーバ・Adeleの名曲「Hello」(2015年リリース)以来、イギリスで初の女性アーティストとして見事トップを飾り、アメリカやカナダ、オーストラリアなどでもトップ10入りを果たした。ちなみにこの曲のMVのYouTube再生回数は、現時点で16.9 億回(!)を超えている。
また、2018年には、ご存知最も稼ぐDJとして知られるCalvin Harrisプロデュース曲「One Kiss」で、リリースの翌週にイギリスでNo.1を飾り、その後も8週間1位をキープし、2018年の最も売れた曲となった。Duaはこれまで二度来日ししており、2017年にサマソニに出演、そして昨年の5月に行われたZepp Tokyoでの単独ライブもソールドアウトで、大盛り上がりに終わったようだ。2017年から2年連続でEDC Japanに出演したMartin Garrixとは「Scared to be Lonely」で共演しているため、もしやDuaの姿も観れるのではないかと期待するファンもいたと思うが、今年こそ、今最も勢いに乗ってるDuaのディープな歌声が「EDC」で聴けるのを期待したい!
Peggy Gou(ペギー・グー)
韓国出身で、ベルリンを拠点に活躍する売れっ子DJ、Peggy Gou。昨年はフジロックやコーチェラにも出演したことで話題を呼んだ。韓国でやんちゃな少女時代を過ごした彼女は、親の勧めで15歳の時にロンドンに留学。ファッションを学ぶも、2012年、友達にもらったRoman Flügelの アルバム『Fatty Folders』を聴いて衝撃を受け、DJとしての活動をスタートした。その2年後くらいからプロデュース業も行うようになり、ジャンルにとらわれることなく、ハウスやテクノ、エレクトロ、ソウル、ファンクなど、自身が影響を受けたものをミックスした音楽を作り続けている。
2016年に、Radio SlaveのRekidsというレーベルから『The Art of War』を2枚組でリリース。その後、彼女の人気は急増し、世界各国でMoodymannやthe Black Madonna、 Jackmasterら有名DJとのギグを果たし、その翌年にはアメリカで初のツアーを行ったり、BBC Radio 1で1ヶ月レジデンシーDJとして務めるなどした。また、昨年にはNinja Tune傘下のレーベル「Technicolour」からEP「Once」をリリース。音楽以外にも、大のファッション好きなPeggyのスタイルはインスタで見るだけでも楽しい。期待される「Kirin」(Peggyが手がけるファッションブランド。ブランド名はPeggyが愛する麒麟)の初コレクションも、もうすぐ発表されるようだ。“女性DJ”として見られることを嫌うという彼女だが、一人のアイコンとして、今後いろんな業界での活躍が多いに期待できるだろう。今、大きな注目が集まるPeggy、ぜひ「EDC」に来てほしい。
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と、勝手気ままに予測をしてみたけど、実際誰が来るのか本当に楽しみ!気になるラインナップの発表は3月上旬を予定しているとのこと。また、今年から「HARD Summer Music Festival」や「Factory 93」のイベントチームが「EDC Japan」に参加し、音楽ジャンルの幅がより広がるそうなので、“EDCコミュニティ”を通してますますいろんな出会いや発見が期待できそう!
Text:Atsuko Tanaka
Photo: EDC Japan