レッドマーキーで記憶をなくして、気づいたら武蔵小杉に!?
-その後、どうしたんですか!?
恥ずかしさもあって、電気グルーヴの途中でしたが「もうテントに帰る!」と、「モテキ」の森山未來みたいに号泣しながらテントに戻りました。戻る最中、見知らぬ女性に「どうしたんですか?大丈夫ですか?何かなくしたんですか?」と優しく声をかけてもらったんですが、ガン無視でテントサイトまで走り帰りました。
-どんな心境だったんですか?
大好きな苗場でレッチリや電気グルーヴが見られて、友達と遊んで、こんな楽しいことはないじゃないですか。でも、また明日から謝りたくもないのに「申し訳ございませんでした」とか言ったりする生活にまた戻るのかと思うと、とても悲しい気持ちになっちゃったんです。
-確かに日曜の夜は毎年切ない気持ちになりますよね。
テントで一人で泣いてたら、一緒にキャンプしていた友達が戻ってきて「大丈夫か?」って聞いてくれたんです。彼に話しかけられた瞬間に、もう泣いてたってダメだ!最後の夜だし、もう今日は飲むしかないと涙を拭って、「よし、飲もう!」と誘ったんですが、「いや、明日早いからもう寝る」と断られまして(笑)。
-一人で泣いたり、急に立ち直ったり、大変ですね(笑)。
苗場にいると、喜怒哀楽が爆発しちゃうんです。お酒の力もありますが。
-そして、あっさり断られてしまったと。
僕は「仕事も大変だし、子どももできて忙しいし、来年また戻ってこれるか分からないから、今日は浴びるほど飲もう!」っていうテンションだったんですが、あっさり「寝る」と宣言されました(笑)。でも、こうなったら一人でもレッドマーキーに行くしかないと。
-さすが遅番!
そうと決めたら水筒にウイスキーを満タンに入れてカウボーイのようにポケットに装備して、全力で会場に戻りました!でも、そこから記憶が…。
-その日の夜、Festival Lifeのスタッフとも会いましたが…?
記憶にないです(笑)。最終日の夜は、楽しかったような記憶はあるんですが、全然覚えていなくて。気づいたときには翌日、友達の車に乗せられて武蔵小杉(神奈川県)にいたんです。
-レッドマーキーから武蔵小杉まで飛んだんですね(笑)。
武蔵小杉で友達の車から降ろされた瞬間、何が起こったかわからなくて、友達に「あれ?フジロックは?」って聞きましたからね。記憶がない間の自分の姿は友達がSNSにアップしていたものを見て、状況を把握しました。朝方のことをなんとなく思い出してみると、場外エリアのカドヤで周りにいる人にやたらおごっていたみたいで、財布の中身がスッカラカンになってました。
-フジロックの朝方にカドヤでいたら、おごってもらえるチャンス?
そうですね、見かけたら声をかけてください(笑)。
-それだけ朝まで楽しんでいても、お昼から元気に活動するんですか?
もちろんです。全力です。とにかくライブもライブ以外も全力で楽しみます。移動時間も歌を歌ったりして、24時間楽しみますよ。ちょっと変な話なんですが、2年前にOwl City(with Carly Rae Jepsen)の「Good Time」のサビの部分をみんなで替え歌して、「磯丸水産!」と歌ってはしゃいでたら、それが一部で流行ったことがあって。
-ちょうどその年のサマソニにはCarly Rae Jepsenが出演していましたよね。
そうなんです。「磯丸水産!」を歌いたくてCarly Rae Jepsenのステージに向かっているときに、知らない人が「磯丸水産クルーが今、Carly Rae Jepsenのステージに移動してるらしいよ!」って話してて、ビックリしました。磯丸水産をやるためにImagine Dragonsを犠牲にしましたが、いい思い出です。
-何事も全力で楽しんでますね。
もちろんです。他にも全力エピソードあるんですが、話していいですか?
-ダメと言っても喋ると思うのでどうぞ!
僕はサイレントディスコも大好きなんです。まわりからは「サイレントディスコおじさん」って呼ばれてまして。友達にも、もう一人「サイレントディスコおじさん」がいるんですよ。以前、サマソニでヘッドライナーが終わった後にサイレントディスコに行ったら、その友達が一番前にいて、お客さんを盛り上げてたんです。
-ライバル発見?
そうです!「負けてられねぇ!」となって自分も前に行き、バトルが始まったんです。サイレントディスコってチャンネルが2つあって、流れてる曲が違うんですけど、俺はこっちのチャンネル、お前は向こうのチャンネルって身振り手振りで決めつつ、お客さんをどっちが盛り上げられるか勝負してました。
-なんだか様子が浮かびます(笑)。
「L!L!」「R!R!」とかジェスチャーでお客さんを誘導して踊らせてたりしてましたね。最終的には二人で同じチャンネルを聴きながらみんなを盛り上げてたんですけど、最後にはハイタッチしたり、会場に一体感が生まれてました(笑)。
-本当にフェスを楽しみ尽くすんですね。isamさんにとってフェスの魅力とはどんなところですか?
フェスって自分を出せる場所なんです。フェスに行くといろんなアーティストがいて、いろんなお客さんがいるわけじゃないですか。その中で自分が好きなアーティストのステージに行って、「俺はアンタが好きでこのフェスに来たんだ、アンタのステージを見に来たんだ!」ということを表せる場だと思っています。
-ただの傍観者ではないということですね。
そうですね。色々と話しましたが、なんだかんだフェスが好きということに集約されます(笑)。日常生活で毎日働いてるけど、週末にフェスに参加する。もしかしたらその週末は一生の思い出になるかもしれないじゃないですか。一生の思い出のためなら、辛い仕事も頑張れます。
-それでは最後にisamさんにとってフェスとは?
フェスは僕にとって人生です。いつか自分の子どもたちとも一緒にキャンプフェスにも行きたいですね。息子とは去年サマソニの場外まで一緒に行ったんですが、「楽しかった、また連れてって!」と言ってくれたので、またフェスへ連れて行きたいと思っています。
Interview:Goto
Photo:Etoo/本人提供
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