コムアイが語るフジロックの魅力とThe Flaming Lips
7/30(日)は水曜日のカンパネラとして初めてのフジロック出演が決まっています。フジロックはライブを観る派ですか?それとも、別の所で遊び回ってる派ですか?
フジロックだけですよね、そういう選択ができるのって!遊んでも遊びきれない。遊具もいっぱいあったりするし。
落語とかもやってますからね。
そうそう。寄席みたいなのやってますよね。初めて行った年は、海外アーティストを知らなかったので、ずっとご飯食べていました。ずっとご飯食べてたので、すごい太ったんですけど、超美味しくて。
フジロックはご飯も美味しいですよね。参加1年目にThe Flamig Lipsのライブを観たんでしょ?
そう!寝ながら観た。(笑)
水曜日のカンパネラとして、The Flaming Lipsに影響を受けているんですか?
一番目指しているくらいのアーティストですね。あのバランス感覚はずっと覚えておきたいと思っています。なんか段ボールとかで、美術も作っちゃう感じと、でもサイケデリックでイキきってる感覚。作り物とかにお金かけられるようになっちゃったら、ちょっとつまんないなと思っていて。お金かけていても、やっぱり手作り感、手触りはそのまんまっていう感じにしたいんですよね。
なるほど!
あと、ウォーターボールみたいなのに乗っているのも、The Flaming Lipsの映像観て「やりたい!」って言ったんです。ボールの中に入って、グルグルグお客さんの上を行くっていう。The Flaming Lipsのライブって、The Flaming Lipsの音楽にピンと来なくても楽しめる「エンターテイメント」みたいな感じもあるし、音の多幸感がスゴイじゃないですか?音楽とか表現は真剣にやるんだけど、なんか入口はどうしても大きく広げておきたいなっていう気はしているんで。
コムアイさんの表現は、”多幸感”がテーマにあるのかなって感じます。
アメリカにそんなの必要ないと思うんですけど、日本にはそういうパワーが必要だなって思うことが多くて。みんなが解き放たれて、もうちょっとラクにいろいろ考えられるようになればいいなと思っています。「こっちが好きだからこっちにしようよ!」をもうちょっと自然に言えるような国にして欲しいなと思っていて。そのためにパフォーマンスをいっぱいやっていきたいと思っています。
ライブで”多幸感”を作るっていうのが重要ってことですか?
そうです。人の身体性を呼び戻すために音楽は絶対必要で。みんながコンテンポラリーダンスを踊れる状態みたいな(笑)。ライブのときって「こういう風に踊りたい!」とかなんとなく、音が教えてくれるじゃないですか。踊れなくてもいいんです。踊れるとか踊れないとか別に関係ない。ただ首を傾げるだけでも“踊り”だと思うんですけど、「こういう首の傾げ方がこの音だ!」みたいなところに、みんなこだわりたくなるのが音楽の良さだと思うんですよね。
多幸感みたいなものが“身体性”につながって、みんなが同じ空間で動くという。
その空間の中だけじゃなくて、音楽が終わったあとでも、日常にそういうものを持って帰ってもらいたいんですよね。例えば、なんだろうな〜。大阪の人はもうできていると思うんですけど。
できてますか?(笑)
できてる!大阪の人って、相手になんかイヤなところがあったら、悪気なくすぐ言えちゃうじゃないですか。言われた方も別に反論できるっていうか。「何、ブラ着けてんねん!」って言われたら、「ブラちゃうし!」みたいな感じで反論できるじゃないですか(笑)。東京の人は言われて傷ついちゃうんですよ。「あ、コレおしゃれでやっていたのに・・・」みたいな。なんで言えるのかって考えると、「別にそんなこと大したことじゃないじゃん!」っていうことだったり、「楽しい!」って感覚が元々あるからだと思うんですよね。東京だとそれが悲劇になるっていうか、何か1個否定されことが全否定になっちゃう不安みたいなのがあって、それを解きたいなって思っています。
それは、ライブを通して?
ライブとか、自分がパフォーマンスすることとかを通じて。
多分、解き放たれている人はいっぱいいると思いますよ。
みんなももっと楽に生きていけたらなって思ってます。
話は戻りますが、フジロックってそういうのがより生まれやすい環境ではありますよね?
本当にそうだと思っていて、フジロックでのライブはすごく楽しみですね。ライブでやっていることって、多分いくつか自分の中で“手”があって、それを選びながらやっているって感じはあるんですけど、その場でしか作れない雰囲気やグルーヴを受け取って、また返してみたいな。
フジロックでのライブ、本当に楽しみにしています。
フジロックでやることが、他のフェスに出せるかどうかをチェックされている場でもあるし、海外に行くためのチャンスになるっていうところもあるし。それでいて単純に楽しもうとしている人たちに負けずにおもしろくいけるかどうか。とにかく「やられたわ〜!でも、今のなんだったんだろう?」って感じに終わってもらえるように、本気で臨もうと思ってます。
インタビュー後記 by竹内琢也
フジロック最終日の夜23時のレッドマーキーに登場した水曜日のカンパネラ。新しくなったステージの照明を駆使しながら、素晴らしいステージを見せてくれました。インタビューの中で、海外の話も多く登場しましたが、国内外に限らず、これからどんな姿を見せてくれるのか、目が離せません。西日本では、9/3(日)泉大津フェニックスで開催される「OTODAMA’17~音泉魂~ 夏フェスというボケ編」に出演するのでお見逃しなく!
Text by 峯原拓也
interview by 竹内琢也
DATE:2017.7.25
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20歳のときにワールドミュージックを紹介する番組でキャリアをスタート。現在はFM802 Monday&Tuesday 19:00~21:00「BEAT EXPO」、Thursday&Friday 5:00~7:00「DASH FIVE!」を担当。選曲、構成、ミキシングを手がけるアメリカンスタイルでもオンエアをしている。BECK、NORAH JONES、CLEAN BANDIT、ALABAMA SHAKES、OWL CITYなど海外アーティストへのインタビューも多数。
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