チケットが異例の売れ行きを見せる今年のフジロック。SNSでも「宿が取れない」という声が目立ち、例年以上にキャンプを検討している人もたくさんいそうです。
フジロックのキャンプといえば、ライブを観ずにずっとキャンプサイトで過ごす人もいるほど、「キャンプも含めてフジロック」と考える人もいる特別な体験。一方で「山の中で数日過ごすのって大変そう」「初心者でも本当に大丈夫?」と不安を感じている人も多いはず。
「絶対にキャンプがいい!」という人もいれば「今年は宿がいいな」と話す人もいて、感想は本当に人それぞれ。それでも「一度は体験してみてほしい」と語る人が多いのも、フジロックのキャンプです。今回は、Festival Lifeのスタッフを中心に、実際にフジロックでキャンプを経験してきた人たちに、その魅力や失敗談、初心者へのアドバイスを聞いてみました。今年はじめてキャンプを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
疲れたらすぐ休める。「一番近い宿」という快適さ
キャンプの魅力として多くの人がまず挙げていたのが、「会場のすぐ近くに泊まれること」でした。宿を取る場合、どうしても帰りの移動やシャトルバスを意識する必要がありますが、キャンプサイトならライブの合間にテントへ戻って休憩したり、昼寝したり、寒くなったら上着を取りに帰ったりもできます。
そして、みんなが口を揃えて話していたのが、フジロックの空気をずっと感じられること。キャンプサイトには飲食ブースやドッグランのドン吉パーク、ゆったりした空気感で人気のピラミッド・ガーデンが隣接していて、「人が多い場所で疲れた時、ピラミッド・ガーデンに行くと癒やされる」「まるで別のフェスをやっているみたい」という声もありました。ライブ目当てにあくせく歩くだけじゃない過ごし方ができるのも、キャンプならではの魅力なのかもしれません。
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— FUJI ROCK FESTIVAL (@fujirock_jp) May 26, 2026
宿と比べても安い。レンタルテントという選択肢も
「キャンプサイトのチケットは4泊で6000円なので、宿代を考えると選びやすい価格感」という声も。近年は宿代の高騰もあり、キャンプを選ぶ理由としてコスト面を挙げる人も少なくありません。
中でも、「まずはレンタルで一回試してみた」という人もいるようです。レンタルテント利用者からは、「場所取りを急がなくていい」「荷物がぐっと減るし、設営や撤去を考えなくていいのが楽だった」という話も聞きました。一方で、「設置場所が上の方で、疲れた状態での往復が想像以上にしんどかった」という意見も。
とはいえ、「豪華なテント勢を横目に、みんな同じテントで寝るだけだから逆に気楽だった」という感想もあり、「まずは一回キャンプの空気を味わってみたい」という人には、合っているスタイルなのかもしれません。またオフィシャルではなく、レンタルサービスでグッズを借りて、現地のヤマト運輸のブースで受取と返却という手も。
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場所取りは木曜が理想。でも小さいテントなら後入りも
「結局いつ現地に行けばいいの?」というのは気になるところ。経験者によると、いい場所を狙うなら、やっぱり前夜祭のある木曜入りが理想だそう。それもまた風物詩なんですが、木曜正午のオープン後は、いい場所から早いペースで埋まっていく争奪戦になります。
一方で、「1〜2人用の小さいテントなら、金曜や土曜入りでも全然なんとかなる」という声も。大型テントやファミリーサイズになると、奥の斜面まで行く必要があるケースもあるみたいですが、小型テントなら比較的柔軟に場所を見つけやすいようです。「日陰で快適そう」と思ったら傾斜がきつかったという人もいて、何を優先するかで場所選びの方針も変わることがうかがえました。
宅配便や事前準備で、移動と設営はだいぶ楽になる
新幹線やバス勢にとって、宅配便はかなり頼れる存在。テントや寝具を事前配送しておけば、当日の大荷物移動がとても楽になります。経験者の中には、「朝イチの新幹線で寝ぼけていて、テントを家に忘れた」という人もいて、越後湯沢駅のスポーツ店で慌てて買い直してなんとか乗り切ったそうですが、事前に郵送しておけばそういう心配もありません。
また、ベテラン勢が口を揃えていたのが、「フジロックへ行く前に、使う予定のキャンプ道具は一回全部広げて確認しておいた方がいい」ということ。実際に「現地で開けたらテントじゃなくてタープだった」という失敗談までありました。「河川敷や庭で一回設営練習しておいた方がいい」「現地で初めて設営すると想像以上に手間取る」という人もいて、キャンプ慣れしていない人は、現地で初めて開けることを避けるだけでも安心感は違いそうです。
フジロックは山奥のフェスだけに天気が急変することもあり、「ペグだけはしっかり打った方がいい」というアドバイスも。地面が想像以上に硬かったり、雨で状態が変わったりすることもあるそうで、「とりあえず立てばOK」の感覚で行くと意外と苦労するようです。
暑さ・雨・斜面。快適に過ごすには準備が重要
フジロックのキャンプで想像以上につらい、という意見が多かったのが朝の暑さ。「朝7時くらいには暑くて目が覚める」という声もあり、ハンディファンや遮熱シートを必須装備として挙げる人も少なくありませんでした。とはいえ、フジロックで避けて通れないのが雨で、「濡れた服しかない状態が一番つらい」という経験談もよく聞く話。テント内の荷物を防水袋に入れておく、予備の服を用意しておく、といった対策が重要になりそうです。
キャンプサイトは、一部の人気エリアを除くと斜面もたくさんあり、地面の硬さや傾斜に苦戦した人も多かったようです。そのため、経験者はコット(簡易ベッド)やマットの重要性を挙げていました。「コットがあるだけで翌日の疲れ方が全然違う」という体験談もあり、ちゃんと眠れるかで翌日の楽しさが変わってくるのかもしれません。
レディースサイトはどう? シャワーやお風呂事情も気になる
もうひとつ気になるのはシャワーやお風呂。無料のシャワーがあって、「あんまり快適とは言えないけど、あれはあれでフェスっぽくて面白い体験ができる」という声もありました。温泉はヘッドライナー後になるとかなり並ぶので、「行くなら早朝4時〜7時くらいがおすすめ」という人も。中には、夕方に少し歩いて近隣の旅館のお風呂へ行っていた人もいました。苗場周辺には日帰り入浴できる施設も意外とあるので、SNSなどで事前に調べておくと動きやすそうです。
女性キャンパー向けにはトイレや温泉に近い場所にレディースサイトも用意されていて、利用者からは「会場から帰ってきやすかった」「平らな場所に張れたので思ったより快適だった」「人通りが多い場所だったので、防犯面はそこまで気にならなかった」という感想も目立ちました。もちろん最低限の注意は必要ですが、初めてのキャンプで不安がある人にとっては、心強いエリアかもしれません。
困った時、意外と誰かが助けてくれる
最後に、最低限の準備やリサーチは必要ですが、「困っていたら周囲の常連さんが助けてくれた」という話も複数ありました。ある参加者は、「少し勇気を出して聞けば、みんな優しく助けてくれる」と話します。ハンマーやペグを忘れて困った時、周囲の人に助けられた経験や、キャンプサイト入口に設置されている、キャンプよろず相談所の存在に救われたという声もあり、困った時に周囲へ声をかけやすい空気感も、フジロックならではかもしれません。
キャンプサイトは会場内とは少し違う時間が流れていて、ピラミッド・ガーデンでのんびりしたり、朝の苗場を散歩したりするだけでも楽しいもの。最初はハードルが高く感じるかもしれませんが、興味がある人はぜひ一度、フジロックのキャンプを体験してみてください。
Text:阿部仁知
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