tofubeatsに一問一答でインタビュー
-ここからは、tofubeatsさんに一問一答で質問させていただきます。まず、tofubeatsさんが好きな声は、どんな声ですか?
僕は基本的に女性ボーカルが好きなんですよ。古内東子さんとか、ちょっとJ-POP寄りの女性R&B歌手の方々は基本的に全員好きです。今回の「FANTASY CLUB」に参加してもらっているsugar meさんもそういう枠の方かな。もともと声が好きで、いつか自分の作品に呼びたいなと思っていた方の一人です。細い声なのに、ものすごく歌が上手な方だとか、ディーバというよりミューズみたいな方の声が好きですね。過去に参加してくださったBONNIE PINKさんや、森高千里さんもそうですけど。
-そういう声の持ち主とのコラボは、今後もどんどん生まれそうですね。
そうですね。ただ、最近アニメ「クラシカロイド」の曲を作ったときに、そのアニメの曲を歌っている方々の声も素敵だなと感じたので、自分の中で声の趣味が変わってきたのかなとも思っています。いわゆる、アニメっぽい歌い方の子でも、その中に自分の好きな声、嫌いな声があることを知ったり、いろいろなデモテープを聴いたりして、趣味を広げている最中ですね。
-海外のアーティストで好きな声はありますか?
海外のアーティストだと、ラッパーの声は気になりますね。やっぱり声質が重要なジャンルなので。例えば、ケンドリックラマーのパンチがあるけどモヤがかった声は特徴的ですよね。
-ちょっと色気もありますよね。
そうなんですよ。あと、サザン・ヒップホップのラッパー、フューチャーの声もすごく好きです。
-ゲスト参加したい、または、ゲスト参加してほしいアーティストはいらっしゃいますか?
やっぱり、カニエ・ウェストですね!単純に好きなんですよ。ある日、いきなりカニエ・ウェストからオファー来ないかなっていつも考えてます(笑)。
-tofubeatsさんは、音楽をどういう風にキャッチするのか、自分の好きな音にどう出会うのか、教えて頂きたいです。
そんなに特別なことはしていないですよ。インターネットを見て、雑誌を見て、レコード屋に行く。昔からずっと変わっていないですね。
-そうやって出会った音楽は、自宅で聴くんですか?
家でゆっくり聴くのは難しいので、買ったあとはiPhoneに入れたりして、散歩しながら聴きます。移動中に音楽を聴くというよりは、音楽を聴くためにわざわざ外出する感じです。家で聴くと仕事感も出てしまいますし、景色が変わらないと1時間続けて音楽を聴くのもちょっとしんどいと感じるんですよ。それでちょっと車を運転したり、散歩に出たりして、わざわざ音楽を聴くための外出するんです。
-tofubeatsさんはメジャーシーンに籍を置いて4年目になりますが、下の世代についてどういった印象を持たれていますか?
今はD.A.N.やyahyelのような、洒落た若手バンドが出てきていますよね。以前、同世代のSANABAGUN.と共演したときに感じたんですが、今の若いバンドの人たちって、ダンスミュージックが好きな人が多くて、お客さんも横ノリが身についている感じがして、新鮮な印象は受けています。
-刺激は受けますか?
刺激を受けるというより、アウトプットは違うけど、同じものから刺激を受けてるんだろうなと感じています。
-J-POPのシーンで、作曲する上で、自分と同じようなムードを感じる存在はいますか?
メジャーシーンの近しいところで言うと、関西出身のSugar’s Campaignの2人。彼らのそれぞれのソロ活動は、すごく刺激になりますね。昔から一緒にやっているので、ムードみたいなものは近いかなと思います。Sugar’s Campaignでのユニット活動も、僕がやろうとしていることと同じで、J-POPをシミュレーションしているような感じは近しいですね。
-他のアーティスト、例えば、水曜日のカンパネラはどうですか?
水曜日のカンパネラは、どちらかというと分業制なので、ちょっと違いますね。でも、僕はミュージックビデオまで自分で作ってしまうような、1人でやりたいタイプの人間なので、それが逆にすごいなと感じます。ちゃんとヒットチャートを狙っているところや、メンバーの中にディレクターがいることとか。1人で、D.I.Yで、狭い範囲でコツコツやっているという意味では、TeddyLoidさんも自分に近い存在かもしれないですね。作っている音楽は全然違うけど、DJも作曲もやって、実はCMの仕事もやっているところとかは、近いなと思います。
-昨年リリースになった、宇多田ヒカルさんのアルバム「Fantôme」はどうでしたか?
すごく素敵なアルバムでしたね。ああいう豊かな、音を詰め込まない音像で、J-POPのチャートのトップを取るというのはやっぱりスゴイなと思います。「FANTASY CLUB」を作る上でも、刺激になりました。
-音楽だけに限らず、いま興味があるものはなんですか?
今回のアルバムを作っているときから、「カーシェアリング」で車にたくさん乗るようになったこともあって、できあがった音のチェックを車でするようになったんです。そういう理由で、車に興味が出てきていますね。とりあえずレンタカーで、いろんな車種を借りて、いろんな車に乗ってみてます(笑)。これまでは電車にばかり乗っていたんですけど、車に乗り出すと行く場所が変わってきて、それがまた面白くなってきたんです。「今回のアルバムが売れたら、買うか考えよう!」みたいな感じです。
-では、最後の質問です。27歳になる年を迎えて、最近変わってきたなと思うことはありますか?
どうなんですかね。逆のことの方が多いんですよ。「27歳にもなってここは変わらんのか!」「治らんのか!」みたいな。
-例えば?
トークが一向に上達しないとか。
-いやいや、今日もかなりトークされているじゃないですか!
いや、喋ることは喋るんですが、人の話を全く聞けないんです(笑)。もっと人の話を聞けって、3年前ぐらいからずっとマネージャーに言われ続けているんですけど、一向に治る兆しがないんです。もうちょっと大人にならないと、まだ変わらないのかなと思うことの方が多いですね。27歳になる年ですけど(笑)。
インタビュー後記 by竹内琢也
今回は、ニューアルバム「FANTASY CLUB」について、テーマやコンセプトをがっつりとお話してくださいました。カニエ・ウェストと作品を作ってみたいとおっしゃっていましたが、それが実現すれば本当に楽しみです。「J-POP × CLUB MUSIC」という新しい音を追求するtofubeatsさんが、今度はどんな音やメッセージを発信するのか?早くも次作にワクワクしてしまいます。tofubeatsさんは、8月5日の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017」、BUZZ STAGEに登場するので要チェックです。
Text by 峯原拓也
interview by 竹内琢也
DATE:2017.5.23/30
>>tofubeats: https://tofubeats.persona.co/
>>FM802 : https://funky802.com
>>BEAT EXPO : https://funky802.com/expo/
20歳のときにワールドミュージックを紹介する番組でキャリアをスタート。現在はFM802 Monday&Tuesday 19:00~21:00「BEAT EXPO」、Thursday&Friday 5:00~7:00「DASH FIVE!」を担当。選曲、構成、ミキシングを手がけるアメリカンスタイルでもオンエアをしている。BECK、NORAH JONES、CLEAN BANDIT、ALABAMA SHAKES、OWL CITYなど海外アーティストへのインタビューも多数。
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