今年は妄想フェス旅を楽しもう！ 100カ所以上の海外フェス情報を網羅したガイドブックが電子書籍化

昨年発売された「THE WORLD FESTIVAL GUIDE世界の海外フェス完全ガイド」（いろは出版）が、Kindle、楽天Kobo、Apple Booksにて電子書籍として配信スタート。

本書は海外の音楽フェスに特化した、今までにない新しいガイドブック。数多くの海外フェスに実際に足を運んだ筆者ならではの目線で、40カ国・120以上の海外フェスを取り上げ、フェスの臨場感を味わえるオフィシャル写真に加え、現地で撮影したオリジナル写真、来場者スナップも多数収録されている。

さらに海外フェスシーンで活躍するコムアイ（水曜日のカンパネラ）、DJ KSUKEのインタビューも掲載されており、フェス好き・旅好きも楽しめるガイドブックとなっている。

当初、電子書籍化の予定はなかったが、コロナ禍において国内外の数多くのフェスが中止となり、フェスを楽しめない状況を受け、電子書籍化が決定。価格も1,300円（税別）と紙書籍よりも安くなっており、さらに、Kindle Unlimited会員は、追加料金なし（￥0）で読み放題となっている。

今年の夏は妄想フェス旅を楽しんでみてはいかがだろうか。

推薦コメント：永井純一（関西国際大学現代社会学部准教授）

「一度でいいから海外のフェスに行ってみたい」そう思いを抱えてモジモジしている人は多いだろう。一方で海外フェスに行ったことのある人は確実に増えている。そして行ったことのある人は言う、「今はネットに情報があるから」、「案外余裕だったよ」、「思ったよりお金かからないよ」「行けばいいじゃん」と。でも、そう言われて行けるぐらいならはじめからモジモジなどしていない。そんなオクテのフェスティバル・ゴアーにとって本書はまさに待望の指南書である。

バラエティ豊かなフェスの写真を見るだけでも楽しいのだが、小さな写真の一つ一つにテキストが添えられており、情報量も相当なものだ。その有用性は、著者がフェスに行っただけの経験値のみでなく、おそらく何度もされた質問や相談など、津田氏が日頃から繰り返しているフェス談議によって裏付けされている。海外フェスの魅力を誰よりも知っているからこそ、伝えるべきことがわかるのだ。

ところで、津田昌太朗の肩書きが「フェスジャーナリスト」であることは極めて重要だと思う。近年の音楽フェスの世界的な流行は人・情報・お金の絶え間ない移動を前提として成立している。その移動の自由が制限された今、フェスが窮地に立たされているのはご存知の通りである。もちろん現段階でこれからのことは誰にもわからないのだが、この出来事は今後の私たちのフェス観に少なからず影響を及ぼすだろう。一体どのような社会においてフェスは成立するのだろうか。私たちにとってフェスとは何なのか。楽しみとしては言うまでもなく、社会を考えるきっかけとしてのフェスの重要性は今後増すだろう。というわけで、フェスが再開された暁には、最前線からのレポートを期待しています。もちろん軽妙な語り口はそのままで。

永井純一（関西国際大学現代社会学部准教授）
『ロックフェスの社会学――個人化社会における祝祭をめぐって』（単著）2016年　ミネルヴァ書房
『音楽化社会の現在——統計データで読むポピュラー音楽』(共著) 2019年　新曜社
『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか日本ポピュラー音楽の洋楽受容史』（共著）　2019年花伝社

著者コメント：津田昌太朗

本自体をひとつのフェスのようにアナログに楽しんで欲しいという思いから、発売当初は電子書籍での配信をしない予定でした。しかしながら多くのフェスが中止・延期という昨今の状況を受けて、少しでも音楽好きやフェス好きに楽しんでもらいたいということで、関係者の協力のもと、電子書籍として配信することになりました。紙書籍を携えて海外フェスに遊びに行ってくれるのも嬉しいですが、フェスに行くときには荷物は少しでも少ない方がいいので、スマートフォンにこのデータを入れて、世界中のフェスに遊びに行ってもらえたら！今年は妄想フェス旅＆いつか行く海外フェスの予習に使ってください。