フェスな人 010 | 「ULTRA JAPAN」クリエイティヴ・ディレクター小橋賢児が次に手がける未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND」とは?

「ULTRA JAPAN」のクリエイティヴ・ディレクターを務める小橋賢児さんが「フェスな人」シリーズの記念すべき10人目として登場!新たに手がけるイベント「STAR ISLAND」の開催も間近!”未来型花火エンターテインメント”と銘打たれた、新しい花火の形を提示するこのイベントに込められた思いや、彼自身がフェスカルチャーから受けた影響など語ってもらいました。

Interview:小橋賢児(LeaR inc.)

-小橋さんは現在どういった活動をされているんですか?

肩書きみたいなものは、なかなか説明しづらいんですが、現在は”クリエイティヴを通じて気づきの場を作る”ということをテーマに、”場作り”にフォーカスして仕事をしています。分かりやすいところで言うと、イベント制作も場を作ることにつながりますし、たまに俳優業をやったり映画を作ったりしますが、それも人が見に来る場を作っているというイメージですね。

-Festival Lifeの読者にとっては、「ULTRA JAPAN」のクリエイティヴ・ディレクターというイメージが強いですが、たくさんのイベントを仕掛けられていますよね。

そうですね。自分の会社としては、やっぱり「ULTRA JAPAN」の印象が強くなってしまいますね。実際、一年中「ULTRA JAPAN」のことでいろいろと動いていますが、他にも企業のPRイベントなどを手がけています。ただクライアントの望む結果を出す仕事だけではなく、自分が本当にやりたいと思った仕事を、どんなに大変な道のりでも最後まで諦めないでやり通したいと思っているんです。「ULTRA JAPAN」や今月開催する「STAR ISLAND」みたいなイベントはそういう思いでやっていますね。

-そもそも小橋さんはどういった音楽やカルチャーに影響を受けてきたのですか?

昔から俳優として芸能界に携わっていたんですが、それと同時にDJやファッションを絡めたクラブイベントに遊びに行ったり、自分でもパーティーを主催したりしていたんです。”遊びと音楽”を軸にみんなが集まる場を作って、それを本職にしている先輩たちがいました。でも、当時は芸能人がクラブで遊んでいるっていうと、あまりいいイメージで見てもらえなかったんですよね。自分のベースとなる価値観はアンダーグラウンドなクラブシーンやストリートで形成されたはずなのに、「そういうところに行くな」って言われる状態がすごく辛くて。

-そういうことがあったんですね。

10代の終わりから20代半ばくらいまでは、自分の心を押し殺してロボットみたいに働いているような状態でした。でも、これから30代になるというときに、「このままでもそれなりには生きていけるけど、それって自分らしい生き方なのか?」と考えることがあって。そのタイミングで新しく出会う人の影響や、「もっと世界を見なきゃいけない、もっと英語を喋れなきゃいけない」という意識があってアメリカに語学留学しました。

-アメリカ滞在中に印象的だった出来事はありましたか?

春休みにアメリカを横断したんですが、たまたまそのときがちょうど「Miami Music Week」という期間で、ホテルやクラブなど各所に世界中からトップDJが集まってパーティーをしていて、期間中に「ULTRA MUSIC FESTIVAL」という大きなフェスが開催されていたので立ち寄ったんです。当時の僕に近い世代の人が主催したイベントで、いろんな国や人種、境遇の人たちが、音楽というひとつの共通言語を通じて一緒に盛り上がっているのを見たのはとても衝撃でした。

-その「Miami Music Week」が現在の仕事につながるきっかけになったのですか?

そこで人生が思い切り変わるわけじゃないんですけど、新しい経験をして、自分が新しい感覚になることで、次の日からの考え方が変わると思うんですよ。ただ楽しいだけで終わりじゃなくて、自分を開放することで自分自身の新たな側面を知ることができる。その感覚をもっと味わいたいと思ったんです。

-それで世界中のフェスに?

そうですね。トルコで皆既日食が見られるから行ってみたり、「バーニングマン」をやっているからアメリカのネバダ州に行ってみたり。何かがきっかけでその場所に行くなら、その周りの国や地域も行ってみようというような感じで。

-そういったフェスやイベントでの経験が今の仕事につながっているんですね。

イベントによって、それぞれカルチャーがあったり、来ている人のタイプが違うんですが、やっぱりそういう「場」って面白い。職業もみんな様々で、同じ場所で踊っていた人と仲良くなって、普段何やってるのか聞いたらすごい偉い人だったっていうこともありましたね。「お前、医者だったのかよ!」みたいな。そういう「場」を作りたいというのは常に思っていますね。

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