2021年の「LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL」は5/10に中止が発表されました。取材は中止決定以前に実施したものです。今回は残念ながら開催中止となってしまいましたが、次回開催への期待も込めてこちらのインタビューを公開します。
***
数多のフェスが相次いで中止にならざるをえなかった2020年を経て、少しずつフェスシーンがまた動き始めようとしている2021年。今回は趣味に「音楽フェス」と挙げるほどのフェスラヴァーである、モデル・女優の堀田茜さんに登場いただき、これまでのフェス遍歴や、今年自身がアンバサダーを務める「LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL」についての期待もあわせて聞いていきます。(Text / Interview 鈴木絵美里)
INTERVIEW:堀田茜
−趣味は”フェス巡り”とも公言している堀田さん、今日はいろいろ思い出も含めてお話し伺えればと思います。そもそも堀田さんの初めての音楽フェス体験はいつでしたか?
初めて行った音楽フェスは、2014年のロック・イン・ジャパン・フェスティバルでした。当時私はまだ大学生で、友達が誘ってくれて1日のみの参加だったのですが、「こんなに楽しい遊びが大人の世界にはあるんだ!!」と、衝撃を受けました!本当に楽しかったんです。自分の好きなものがすべて詰まっている世界で「もうこれは、私の生涯の生きがいになるに違いない」と一発目で確信しました。
-”生涯の生きがい”とは!それだけ堀田さんにとっては衝撃と感動の体験だったんですね。
はい、そうなんです。いま思えば、出ていたアーティストも、RIP SLYME、DRAGON ASH、KICK THE CAN CREWと、すごく贅沢だったなと思いますし、さらに音楽だけじゃなく、自然も食べ物も楽しめる。私は小6の頃からダンスをやっていましたが、フェスで身体を動かして音楽を楽しむっていうのも気持ち良いですよね。ライブはひとりで行っても最高ですし、一緒に行った友人とは別の、また音楽好きの友人と現地で合流して一緒に好きなアーティストのライブを見に行く、というような楽しみ方もあったりしますよね。
-2014年のその体験以降は毎年何かしらフェスには足を運んでいる感じですか?
そうですね、毎年どこかしらのフェスへ行っています。でも決まったフェスに何回も行くというより、色々なフェスへ行っている感じです。もちろん、フジロックなんて毎年行けるなら当然行きたいですが、仕事が重なっていることもあるので、あまり「これ!」と限定してこだわることなく、旅行感覚で、今年はどこなら行けるかな、とチェックして足を運んでいます。都内近郊でいうとサマーソニック、メトロック、グリーンルーム、ビクターロック祭り、ぴあフェス(PIA MUSIC COMPLEX)、あとはちょっと足を伸ばしてりんご音楽祭(長野)、オハラブレイク(福島)なども行きました。
-都心開催のものから自然と触れ合えるようなものまで様々ですけど、今うかがったラインナップだけでも、フェスを好きなのが伝わってきます。
”フェス”という世界がそもそも好きなので、目当てのアーティストが出ていなくても、足を運んだ先のフェスで新しく知ったアーティストを新しく好きになって、というようなこともあります。いろいろな楽しみ方があるのがフェスっていいなあと思う大きな理由です。いま挙げた中だと、サマソニは初めてのシティな、しかも屋内のフェス体験だったので「室内でもこういうフェスがあるんだ」と思いました。屋内だと天気も関係ないし、ちょっと閉鎖的な感じが、クラブなどに行かない身としては「うわあ、大人な空間だなあ」という感じで楽しかったり(笑)。本当にフェスが千個あれば千通りの楽しみ方があって、行くたびに新鮮な気持ちで、楽しいなあって思います。
-堀田さんは『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターになりたいという夢を持っていた、というエピソードを拝見したこともあるのですが、開放感のある野外でのキャンプインでのフェス体験もありますか?
あります!ロック・イン・ジャパンと、ラブシャ(SWEET LOVE SHOWER)でテントに泊まって楽しみました。でもだいたい、1日目すごくはしゃいで、限界を見ずに楽しんじゃって、次の日はほとんどスタミナ残っていない…ということが多いです。でも20代前半の時は、アドレナリンがたくさん出ていて、2日目も最初はきついんですけど、徐々に楽しくなってきて、その結果、帰りの車や新幹線は泥のように眠って帰る、という感じで楽しんできました(笑)。好奇心旺盛で何でもやってみたいし、経験してみたいタイプなので、そういうところへ誘ってくれる友人がいることにまず感謝ですし、普段まじめに働いている友達が、フェスになるとモッシュに入りに行くタイプなんだ、とか(笑)そういう友達の知らない一面を知れるというのも楽しみのひとつです。
-今のお話を聞いていると、堀田さん自身もフェスにいる時は普段のイメージ以上にアクティブになっていそうかな、と思ったりしますが。
ええ!?…でも、好きなアーティストの時は最前列を取りに行ったりしていた時もあるんですが、やっぱり怖くなって、すぐやめちゃいました。本当に命がけじゃないですか、最前列って(笑)
-すごい!それはかなりの猛者ですね。ちなみにどなたのライブの時に…?
RIP SLYMEやマキシマム・ザ・ホルモンなどです。いや、正確にいうと、行きかけたんですが、「あ、これもう本当に危ない」と思ったので出てきました(笑)。命の危険を感じました(笑)。でも、まず一回は自分でやってみる、やるだけやってみよう、と思って挑戦しました。
-いや、すごい。ホルモンで最前列に行ってみようとした、というのはものすごいチャレンジです。これまでのフェス体験の中で特に堀田さんが印象に残っているシーンはありますか?
一昨年のグリーンルームのトム・ミッシュのステージが本当に幻想的で印象に残っています。夜に、一番大きいステージで人もそこまでギュウギュウでなく心地よい環境で、トム・ミッシュ自身もすごくリラックスして演奏しているのを観て、鳥肌が立ちまくりました。鮮明に覚えています。グリーンルームは色々な要素が融合していますし、海が近いので風が感じられて気持ちいいですよね。あと、数年前のラブシャだったかな?サカナクションがトリで夜に出てきた時に、すっごく月がきれいで、さらにあの5台のMacのアップルマークがほわんって暗闇から浮かんできて。それが私のフェス体験のなかでも最初のほうに観たものだったので、言葉を失うくらい幻想的で、印象に残っています。夕方から夜にかけての風景はフェスの醍醐味かもしれないですね。
–これまでに悪天候のフェスを経験したことはないですか?
あります!2年前のぴあフェスは土砂降りでした。ヒゲダンやKing Gnuが出演していたのですが、すごく土砂降りで。でも雨は雨なりに印象的でいいですよね(笑)。あまり天気は気にならないタイプかもしれないです。逆にテンション上がっちゃうかもしれません(笑)。普段なら濡れないようにしているけれど、この時ばかりはレインウエアでも土砂降りの場合は意味無いんだな、とか学びました。今までに一度だけフジロックへも行きましたが、今年も開催されるのであれば、行ってみたいなって思っています。行けることになったら完全防備、準備万端で行きたいです。1日のフェスのために色々なショップを回って、色々考えてウエアを準備している時は、至福ですから。フェスって、行くまでの準備が実はいちばん楽しいかもしれないです(笑)。