【FREEDOM主催者MINMIインタビュー】女性&ファミリー目線、そしてサステナブルなフェスへ

神戸新聞との共同企画「フェス主義!祝祭の現在地」では、関西圏で開催されるフェスの主催者や出演アーティストへのインタビューなどを発信します。

今回は、8月21日(日)に兵庫県淡路市の国営明石海峡公園芝生広場で開催される「笑顔道 presents FREEDOM 青空 2022 淡路島」をピックアップ!「FREEDOM」の主催者であり、今年デビュー20周年を迎えるシンガー・ソングライターMINMIさんに、5年ぶりとなる淡路島開催について語ってもらいました。

MINMI(ミンミ):大阪市出身のシンガー・ソングライター。1996年ごろから大阪のレゲエやヒップホップのクラブで歌い、作詞・作曲も開始。2002年のデビューシングル「The Perfect Vision」は50万枚のヒットを記録した。環境省の「森里川海アンバサダー」を務める。

FREEDOM主催者インタビュー:MINMI


-2009年にスタートした「FREEDOM」ですが、開催のきっかけを聞かせてください。

当時、レゲエというジャンルの中でジェンダーへの理解がなくて、IKKOさんのCMに私の楽曲が使われたことからレゲエのイベントに出さないというようなことがあったんです。そういうバッシングがあった中、自分たちの歌える場所や発言できる場所を自分たちでつくろうと。性別や年齢で入れる/入れない場所というのがないように、「いろんな方がそのありのままでいいんだよ」という意味も込めて、「FREEDOM」という名前を掲げてイベントを始めたのがきっかけです。その後、野外に出ようということになってフェスがスタートしました。

-2009年から淡路島を主な開催地として「FREEDOM」を続けてこられました。なぜ淡路島だったんでしょうか?

神戸に親戚やいとこが住んでいるので、兵庫県はなじみのあるところだったけど、淡路島には行ったことがなく、2009年に初めて野外フェスを開催するにあたり、いろんな場所を探している中でたどり着きました。淡路島は、自然のエネルギーがすごくあふれているところで、会場の国営明石海峡公園は、とにかくロケーションが素晴らしい。ここなら皆さんに開放感を味わってもらえるなと。

-春にはYouTubeで現地視察の様子も上がっていました。

動画にはしていないですが、その前にも足を運んでいて、やっぱり会場の国営明石海峡公園は素晴らしい場所だなと再確認しました。10年以上前のことですが、最初訪れたときは、芝生が広がる景色に感激しました。本当にきれいで、生命力をすごく感じました。裸足で立つと、草や土、その下からエネルギーが沸き上がるようで。すぐそばには海があって山がある。いろんな自然の魅力を一気に感じられる素晴らしい場所だなと思います。

-フェスを始めた頃は、地元の方からどんな反応がありましたか?

当時はそんなに地元の方とお会いできていなくて、徐々にご縁ができていきました。毎回、会場の横にある病院の方にあいさつに行って、患者さん、お医者さん、看護師さんとお話させていただくと、開催を楽しみにしているという声もいただけるようになりました。今年は5年ぶりの開催になるのですが、淡路島をまわったときに色んなところで、楽しみにしてくださっている声を頂けて嬉しい限りです。

-回を重ねるごとに淡路の人たちとの交流も深まっていったと。

そうですね。今年は特に、環境に配慮した取り組みをしてみようということで、地産地消で、地元のものを食べていただこうと思っていて、いつも以上に地元の方々とつながって動いています。地元のサッカーチームの方に宣伝の広報を手伝って頂いたり、今まで以上により淡路島の方と一緒にフェスをつくってくような取り組みが多いです

サステナブル=持続可能なフェスへ


-5年ぶりの再開を決めたのは、ファンからの声が大きかったのですか?

淡路島での開催はファンの皆さんにとっても特別なものだったと思いますし、私にとっても本当に特別な時間と空間でした。『もう一度開催してほしい』という声をいただき、開催資金をみんなで集めようと、クラウドファンディングを行いました。

-今年は、環境に配慮した取り組みをさらに前に進めると聞きました。

音楽フェスとして、サステナブル(持続可能な)チャレンジということに取り組みます。例えば、再生可能エネルギーで電力をまかなったり、フードも地元の漁師さんや農家さんの力をお借りして提供したり。リユース(再利用)食器も使います。さらに、モデルのマリエさんが(環境や人権に配慮した)『エシカルファッション』のブランドをつくられているんですけど、今回、一緒にグッズのTシャツを作ります。

エシカルブランドは、製品がつくられている工場で働いている方の労働環境も持続可能なものか、ひどい労働環境で働いてないか、化学繊維ではなくて、自然のものを使っているかなど、場所であったり物であったりというのが、みんなにとって幸せなものだっていうところが高い基準で選ばれています。一般的には、ちょっと難しかったりハードルが高かったりすることもあると思いますが、今回はフェスグッズに、そういうものを取り入れていこうと思ってはじめました。

-会場内にもサステナブルエリアという場所が設けられるとのことですが、ここではどんな展開が?

環境省の方をはじめ、サステナブルな活動をされている方々に登壇してもらって、それぞれの活動を発表していただきます。興味がある方も、まだない方もそういったことに少し触れてもらい、知っていただくきっかけを作れたらなと思っています

-今回はサステナブルが大きなテーマになるかと思いますが、フェスとして女性目線、ママ目線も大切に運営されてきたと思いますがいかがでしょうか?

今回もファミリーエリアを設け、フェスってやっぱりお子さんができると、なかなか行けないっていう、私自身もそう感じることが多かったです。だからこそ、ママ、パパになっても来られる場所をつくりたいなって思って、そういった場所を作っています。公園自体に授乳室もあったりするので、小さいお子様連れの方も来てもらえたらと。あと、ステージの後方に、公園の設備として遊具や水で遊ぶ場所があったりするのもこの会場の良いところです。

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