8月21日(金)〜23日(日)の3日間、山口きらら博記念公園で「WILD BUNCH FEST. 2026」(以下、ワイバン)が開催され、3日間で総勢81組のアーティストが出演し、約6万人が来場しました。
西日本最大級の音楽フェスということで、出演アーティストの豪華さはもちろん、音楽以外のコンテンツも充実しているのがワイバンの魅力。例えば、フェスを支えるスポンサーブースも来場者目線で設計されたものが多く、会場内では数々のブースが賑わいを見せていました。
その中でもひときわ目を引いたのが、入場してすぐのメインストリート沿いに設けられたアドビのブース。暑さをしのげる空間で体験型のコンテンツが用意されており、終日ブース前に列ができるほどの大盛況!今回はそんなアドビブースの体験レポートをお届けします。
Text/Interview:阿部仁知
アドビがワイバンに初出展!
アドビといえばAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、今回のブースで楽しめたのは、そんなアドビのツールを使って、フェスの思い出を自分なりにアレンジする体験。
生成AI「Adobe Firefly」で自分だけのフェスのロゴを作ったり、「Adobe Express」で好きなアーティストを選んでマイタイムテーブルを作ったり、「Adobe Acrobat」で電子来場証明書を作ることができます。できあがったロゴとタイムテーブルはタトゥーシールにして身につけることもできて、フェスの気分を一層盛り上げてくれます。
実際にブースを覗いてみると、一緒に訪れた友人や家族と相談しながら「こうしたらもっとかっこよくなるかも」とデザインを練っている人たちの姿を多く見かけました。フェスに合わせたいろいろな体験が用意されたアドビブースで、どんな楽しみ方が生まれていたのかを覗いてみました。
生成AIでオリジナルのロゴ制作
ブース内で多くの人が体験していたのが、フェスのロゴ作り。好きなイメージをAdobe Fireflyにプロンプトとして入力すると、それに合わせてオリジナルのデザインが生成されます。難しい操作は必要なく、作りたいものを言葉にして入力するだけ。生成されたデザインを見ながら、さらに指示を出して調整していくことができます。
ワイバンらしく鯨や海、夏のイメージを入れてみる人もいれば、好きなアーティストをイメージしたデザインにする人も。WANIMAやSaucy Dog、sumikaなど、この日のお目当てのアーティストをモチーフにする人もいて、画面にはそれぞれまったく違うロゴが並んでいました。親子で相談しながら、どんなデザインにするか考えている姿も印象的でした。
一度ではなく何度かプロンプトを入力できるので、最初のデザインを見て直したい部分があればまた試すことができます。実際に話を聞いたお客さんも、試行錯誤しながら楽しく取り組んでいて、「今度はここをもっと良くしたい」と指示を変えながら、ロゴ作りに夢中になる人が続出!筆者も挑戦してみましたが、作り方のコツやスタッフの説明を聞きながらイメージ通りに作ることができました。
最初から完成形を思い描いて、それを一度で形にするというより、出てきたデザインを見て「もうちょっとこうしたい」と考え、そこからまた試してみる。その繰り返しも含めて楽しめるのが、今回のロゴ作りの面白さ。そして、作ったロゴはプリントアウトしてタトゥーシールとして腕や顔などに貼ることができるのも嬉しいポイント。会場を歩いていると腕や頬に完成したロゴを身につけている人も多く見かけました。フェスでは定番のタトゥーシールも、自分でデザインしたものだと、より特別に感じます。
マイタイムテーブル=フェスの必需品!
次に、全国各地のフェスを取材するFestival Life編集部として、どのフェスにも導入してほしいと感じた一押しの施策が、好きなアーティストを選んで作るマイタイムテーブル。作り方は簡単で、2種類のテンプレートから好きなものを選び、観たいアーティストの名前を入れていけば、自分だけのタイムテーブルが完成。さらに、用意された素材から好きな図形やイラストを選んで配置することもできるので、タイムテーブルとして使うだけでなく自分好みにデコレーションすることもできます。
ロゴと同じように、完成したマイタイムテーブルは画像として保存できて、SNSへの投稿も可能。もちろん、こちらもタトゥーシールにして腕に貼って持ち歩くことができます。スマートフォンを開いてタイムテーブルを確認するよりも手軽で、腕に貼ってしまえばそのままのフェスファッションの一部にも。フェスでの”便利”と”おしゃれ”を両立したタトゥーシールは、まさにフェスの必需品としてブースを訪れたお客さんにも大好評でした。
さらにもうひとつ体験できるのが、フェスに来たことを形に残す電子来場証明書。Adobe Acrobat Readerを使って専用のPDFを開き、自分の名前を入力するだけで、その日の来場証明書を保存できます。楽しかったフェスの思い出として持ち帰るのにも嬉しいコンテンツ。
ロゴやマイタイムテーブルのようにフェスの最中に使うものから、最後に思い出として残すものまで、ひとつのブースの中に、フェスの一日の流れに合わせた楽しみ方が用意されており、フェスの期間中、アドビブースは常に賑わいを見せていました。
アドビ担当者に話を聞いてみた!

アドビは今年、2月のcoldrain主催「BLARE FEST. 2026」、7月の「OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2026」、そして今回のワイバンと、複数の音楽フェスにブースを出展してきました。こうした取り組みを重ねるなかで、少しずつ手応えを掴んできたそうです。
「タイムテーブルを自分で作って、腕に貼ってウロウロできるって便利だなと。あとタトゥーシールもデコレーションとして楽しめるので、そこのデザインを我々が担えるのはすごく親和性が高いと思っています」と語ってくれました。
実際、今回ブースを訪れた人は、普段からアドビを使っている人ばかりではなかったそうですが、アドビを知っている人に向けてサービスを体験してもらうというより、まずはフェスに来た人が「何か面白そう」と思える入り口をつくることが、今回のブースでは大きなポイントになっていました。
一方で、実際に触ってみると「もう少しこうしたい」とこだわり始める人も。比較的AIに慣れている若い来場者は、直感的に操作していく人も多かったそうで、なかには「もっとかっこいいものを作りたい」と何度も挑戦する人もいたとか。一度家に帰って、夜にデザインを作り込んでから「明日また来ます」と戻ってきた人もいて、「そうやって楽しんでいただけてるのが体感できると、すごく嬉しいですね」と話す松谷さんの姿が印象的でした。
公式アプリもアドビで便利に!
ブース以外でもアドビのサービスが活用されており、ワイバンの公式アプリには、Adobe AcrobatのPDFスペースを使ったAIナビが用意されていました。フェス側が登録した情報をもとに、来場者がAIにさまざまな質問をできる仕組みです。
タイムテーブルや会場の情報、フード、アクセスなどを質問すると、それにあわせて回答してくれます。たとえば地元山口県の食材を使ったフードを聞いてみたり、帰りの新幹線の時間を聞いてみたり。フェスでは気になることがどんどん出てくるので、こういうときにAIが答えてくれるのは便利。こちらも他のフェスアプリではまだまだ見かけない取り組みですが、運営側に寄せられる問い合わせの多さをきっかけに導入したそうで、来場者への情報提供だけでなく、運営側の負担を減らすことも狙いのひとつだそうです。
アドビならではの新しいフェス体験
松谷さんが最後に、「アドビのクリエイティブツールを通じてファン、アーティスト、運営の3者をつなぎ、新しいフェス体験を生み出せる可能性を感じています」と語ってくれましたが、まさに今回のワイバンでのアドビの取り組みは、その言葉を体現するものでした。
ただフェスに出展して商品やサービスを紹介するだけでなく、しっかりとフェス来場者の気持ちを捉え、運営が抱えていた課題も解決する。アドビならではのクリエイティブツールを活かしたフェスとの取り組みは、誰か一方だけが得をするのではなく、来場者の満足度も、運営が抱えていた課題の解決も、同時に実現していたところに、このブースの完成度の高さを感じました。
フェスという壮大な空間をつくり上げているのは、アーティストのライブが大きな要素であることはもちろんですが、それだけではない。今回のアドビの取り組みは、そのことを改めて教えてくれました。ブース前にできた長蛇の列、楽しそうに体験する来場者の様子、そして笑顔でまたライブへと足を運んでいく姿——そんな光景こそが、ファン・アーティスト・運営という3者の良好な関係を何より物語っていました。
編集部コメント
ライブを観るだけでなく、自分でも何かをつくってみる。フェスに来た思い出になるものを自分でデザインして、腕や顔に貼って歩く。暑くなったら涼みに来て、隣で作っている人とどんなデザインにしたのか話してみる。公式アプリを開いて、次に観るライブや食べるものをAIに聞いてみる。今回のアドビの取り組みには、そんなふうにフェスの合間に「ちょっとやってみる」「ちょっと調べてみる」を楽しめるものがたくさん詰まっていました。
「お客さんがフェスを作る」なんてよく言いますが、こうやって自分なりの楽しみ方をつくっていくのも、フェスの面白さのひとつ。フェスに来たらまずアドビのブースに寄ってマイタイムテーブルやオリジナルロゴを作るなんて光景が当たり前になる日も、そう遠くないのかもしれません。もしみなさんもフェスでアドビのブースを見かけたら、ぜひ立ち寄ってみてください!
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