FM802 DJ竹内琢也が気になる人にインタビュー vol.03 | H ZETT M

FM802のDJ竹内琢也が音楽業界の気になる人にインタビューする「BEAT EXPO 10-minutes GRAVITY × Festival Life」の第3回目に登場してくれるのは、ピアニスト、音楽家、エンターティナーとして縦横無尽に活動するH ZETT Mさん。自身が率いるH ZETTRIOの新曲や、幼いころのエピソードについて語ってもらいました。(interview 2017.4.18)

Festival Life × FM802 BEAT EXPO 10-minutes GRAVITY
vol.03 H ZETT M interview by 竹内琢也

-H ZETT Mさんの所属するジャズピアノトリオ、H ZETTRIOの新曲「NEWS」がリリースになりました。制作するにあたって、架空のニュース番組をテーマにしたとお聞きしましたが、詳しく教えていただけますか?

曲を作るときは、いろいろなことを考えたり、体験するところからインスピレーションを得るんですが、今回リリースとなった「NEWS」は、架空のニュース番組を頭に描きながら制作しました。こういう曲が流れているニュース番組がいいなという感じですね。まず番組のタイトルが出て、その後にこの曲が流れたらいいなぁ、みたいな。

-なるほど。ということは、生活の中で「この音はこうだったらいいのにな」というようなことを、いつも考えていらっしゃるということですか?

そうですね。例えば、駅で電車が到着するときのメロディーなんかは、「不安げだなぁ」って感じます。色々事情があるんでしょうが、もっと楽しいのがあってもいいのかなと思います。他にも、ATMでお札を取り忘れたときの音なんかは、うるさいですね。よくATMのスピーカーを手でふさいだりします(笑)。音というか、ボリュームが気になりますね。

-そういうことが作曲に繋がっていくこともあるんですね。ちなみにH ZETT Mさんが作曲を始めたのは、いつからですか?

オリジナルの曲を作り始めたのは5歳か6歳くらいのころですね。鍵盤を始めたのは、それより少し前の4歳くらいのときでした。ちゃんと楽譜を見ながら練習しつつ、それに並行して作曲もしていました。曲と呼べるようなものではなかったかもしれませんが、五線譜に丸を書いたり、絵を描いたりして曲を作っていましたね。

-その頃からオリジナルの曲を誰かに聞かせたりしていたんですか?

小さいときに曲を発表する機会があったんですが、人に聞かせるのが恥ずかしくなって発表会を休んだということはありましたね(笑)。作曲以外でいえば、その頃は鍵盤を練習することが習慣になっていて、”楽しさは後からついてくる”という感じで練習をしていました。自分ではそんなつもりはなかったのですが、周りの人から見ると、ストイックに練習しているように見られていたのかもしれないですね。

-以前、インタビューで「プレイヤーとしてよりも、変な人として見られたい」と答えていらっしゃいましたが、これについて聞かせてもらえますか?

そんなこと言ってましたかね(笑)。でも、”プレイヤー”と言ってしまうと、プレイヤーというフィールドの中に入っちゃう気がするんですが、”変な人”というと何だかよく分からない、境界線が曖昧な感じがするんですよ。そうすると、僕のことを見てくれる人が色んな感じ方をするんじゃないかなと思うんです。「面白いことをやるな」とか、「ちゃんと弾いてるな」とか、逆に「ちゃんと弾いてないな」とか。そういうのを全部ひっくるめて、”変な人”。

”プレイヤー”だと、「ちゃんと弾く人」なんですよね。もちろんそれも大事だとは思うんですが、もっと大きな世界にいたいなと思います。プレイヤーというフィールドにいるだけではなくて、「この人、なんなんだろうな」と思われるみたいな。

-極端な話、音楽の匂いがしなくてもいいと?

それはさすがにちょっと寂しいかもしれないですね(笑)。でも、刺激していきたいですね。もっと面白いことがあるよ、という風に。

-H ZETTRIOといえば、2016年のリオオリンピック閉会式で、東京オリンピックの紹介映像に楽曲が使われていましたよね?

はい、「Get Happy」と「Neo Japanesque」ですね。閉会式寸前にオファーが来ました。本当に寸前に(笑)。

-どういった経緯でH ZETTRIOへオファーされたんでしょうか?

僕に直接連絡が来たわけじゃないので、詳しくはわからないんです(笑)。ずっと半信半疑でいたんですが、実際に閉会式を見たら使われてたというような感じで。でも、やっぱり反響は大きかったですね。

-今年はH ZETTRIOでの「FUJI ROCK FESTIVAL’17」への出演も決まってます。楽しみなアーティストっていたりするんですか?

Diploが大好きなので、Major Lazerは見てみたいですね。他には、Bjorkも気になります。まぁライブもあるのでスタッフと要相談ですね(笑)。

インタビュー後記 by竹内琢也

H ZETT Mさん率いるH ZETTRIOは「FUJI ROCK FESTIVAL’17」2日目の7月29日(土)に出演が発表されました。さらに「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO」、「境港妖怪ジャズフェスティバル2017」への出演も決まっており、今年はフェスで見られる機会もたくさんありそうで楽しみです。それにしても不思議なオーラを纏った方でした。

interview&Text by 竹内琢也
DATE:2017.4.18

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▶︎竹内琢也
20歳のときにワールドミュージックを紹介する番組でキャリアをスタート。現在はFM802 Monday&Tuesday 19:00~21:00「BEAT EXPO」、Thursday&Friday 5:00~7:00「DASH FIVE!」を担当。選曲、構成、ミキシングを手がけるアメリカンスタイルでもオンエアをしている。BECK、NORAH JONES、CLEAN BANDIT、ALABAMA SHAKES、OWL CITYなど海外アーティストへのインタビューも多数。
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