FM802 DJ竹内琢也が気になる人にインタビュー vol.10 | 大原智(ITAMI GREENJAM)

FM802のDJ竹内琢也が音楽業界の気になる人にインタビューする「BEAT EXPO 10-minutes GRAVITY × Festival Life」。今回は、以前フェスな人にも登場してくれた「ITAMI GREENJAM」の主催者である大原智氏にインタビュー。フェス開催のきっかけからローカルフェス事情までを話してもらいました。(interview 2017.9.5)

Festival Life × FM802 BEAT EXPO 10-minutes GRAVITY
vol.10 |大原智( ITAMI GREENJAM)interview by 竹内琢也

-「ITAMI GREENJAM」の中心の人たちは、高校の同級生なんですよね?

そうですね。高校の同級生とその後輩・先輩みたいな感じです。

-いろんな人たちが関わる中で、中心となっているのは何人くらいなのでしょうか?

4・5人くらいですね。

-それが高校の同級生や後輩・先輩ということですよね。皆さん普段は別のお仕事をされているということですか?

軸になっているのは僕も含め、普段からイベント制作だったり、音響スタッフだったり、イラストレーターだったり、仕事の延長線上みたいな感じです。

-そんなに遠いところではないってことですね。

でも野外フェスをやる人たちという意味では、まったくの素人でしたね。ただライブハウスとかクラブとかのレベルであれば、イベントをしている人がたくさんいるという感じです。

-なるほど!ではその延長線上で野外フェスをやるっていうのは遠いことではないということですかね?

今考えるとすごく遠いですね。「全然ちゃうな〜」って言いながらやってました(笑)。でも、「できるやろ!」って勘違いして、始めましたね。

-端から見ていて思うのは、フジロックやサマソニみたいなビッグフェスよりも、自分に近い友人がやっているような感覚がなんとなくあるんですよね。極端な話ですが、「やろう!」と思ってフェスってできるものなんですか?

自分がやっていることもあって、できるとは思っているんですけど、ポイントとなるのはお金と場所になるのかな。

-それも「ITAMI GREENJAM」はクリアしたわけですもんね?

そうですね、クリアしましたね。クリアして頂いたみたいな感じのところもあるんですけどね(笑)。

クリアして頂いたというのは?

最初「フェスやりたいと思いませんか?会議」みたいなのを始めたんですよ。僕らの地元では、会場の昆陽池公園でフェスをやるっていうのは、結構「あるある」だったりするんですよ。

-「あそこでいつかフェスやりたい」って思う場所なんですね。

そう思うヤツはたくさんいる状況だったんです。でも、先ほども言ったお金のところと「フェスをやるって理由でどうやって昆陽池公園借る?」っていうところが、ハードルが高すぎて。そもそも行政の持ち物なんで。

-話は出ても、それを実現するっていうところは、全く違いますもんね?

どこから手をつけたらおいか分からないですし、手のつけ方が分からないから誰もやらないって感じだったんですけど、「やる!」って決めて動き出さないことには可能性ゼロなので、とりあえず「昆陽池公園でフェスやりたいと思いませんか?会議」を始めました。

-こっちはマジだぞ!と。でも、先ほどの「クリアして頂いた」っていうのは、行政からOKが出たってことですか?

最初は、「ラインナップはこれで!」みたいな、ただの妄想会議なんですけど。会議を重ねていく中で、妄想会議も飽きてきて、「どうやったら実際にフェスをできるのか?」っていう話し合いを始めていると、街の偉い人が噂を聞きつけてくれて。

-偉い人というと?

それこそ市議会議員さんとか、伊丹の商店連合会の会長さんたちが来てくれました。「若い子たちがそういう会議をして、なんかいろいろ企んでいるらしいぞ」みたいな。そのうちにお金の部分とか、昆陽池公園を借りるための行政へのアプローチの方法をアドバイスして頂けるようになって。

-それは大きな一歩ですね!

そうですね。大変でしたけど、伊丹市の行政に企画書を持って僕が個人的に行くよりも、大人の方がついてくれて、「この子たちがこんなこと考えているんだけど」と言ってもらった上で、僕がお話しした方が、やっぱり話を聞いてもらえると思いますし。そういう意味で「クリアさせて頂いた」みたいなところがありますね。

ローカルフェス主催者が集まる会とは?

-ローカルフェスの色々もお聞きしたいんですけども、「ローカルフェスの主催者が集まる会」があるんですか?

はい!去年、北海道で全国のローカルフェス主催者が集まったんです。

-どれくらいの人が集まったんですか?

20人ぐらいいたんじゃないですかね。自分たちのフェスを紹介や、フェスのジャンル分けなどをすることで、ローカルフェスの主催者の横の繋がりは増えてきていますね。

-ローカルフェスを主催している人ってどういう人が多いんですか?

僕もそのときにいろんなローカルフェスの主催者に初めて会ったんですけど、意外と僕たちみたいに
仕事の延長線上でフェスを主催している人って1〜2割くらいなんです。8〜9割は、普通にお務めされている方です。

-それで、1年に1度、主催するローカルフェスに向けて動いているみたいな感じになるんですね。大原さんご自身が、面白いと思うローカルフェスはありますか?

僕が行ったことがある中で、これ良いフェスだと思ったのは、兵庫県三田の「ONE MUSIC CAMP」ですね。会場の規模がコンパクトで、ほとんどの来場者はキャンプして帰るんですよ。結構な密度でテントが張ってあって、”プチフジロック”みたいな感じなんです。夜までイベントもあって、家族も多くて良い雰囲気です。

-他にはどうですか?

岡山でやっている「hoshioto」に今年初めて行ったんですけど、本当に星がスゴかったです!(笑)

-ローカルフェスっていうのは特徴が大事なんですかね?

ある意味の素人集団がDIYでやってるんで、逆に言うと、プロの人たちができない変な癖というか特徴みたいなのが結果的に出るんだと思います。

-そういう意味で「ITAMI GREENJAM」はどうですか?「らしさが分からない」と以前、おっしゃっていましたが。

正直、自分たちでやっているから分からないんですよ。でもよく言われるのは、「フェス風イベント」(笑)。

-フェス風イベント!?それは、悪口ではなくてですか?(笑)

僕はポジティブに捉えていますよ!フェスに市民祭りが降り掛かっているみたいな。その逆なのか、分からないですけど(笑)。だから、フェスに行かない人とか、普通のご家族とか、多いんじゃないかなと思います。

インタビュー後記 by竹内琢也

今年は、9月17・18日、初めてとなる2日間開催に挑んだ「ITAMI GREENJAM」ですが、台風18号の影響を受け、18日のみの開催となりました。会場の雰囲気は「FUJI ROCK FESTIVAL」のステージ「FIELD OF HEAVEN」プラス街のお祭りみたいな感じで楽しかったです。来年、台風へのリベンジを期待したいです!

Text by 峯原拓也
Interview by 竹内琢也
Interview Date:2017.9.5

>>ITAMI GREENJAM : http://itamigreenjam.com/
>>BEAT EXPO : https://funky802.com/expo/

▶︎竹内琢也
20歳のときにワールドミュージックを紹介する番組でキャリアをスタート。現在はFM802 Monday&Tuesday 19:00~21:00「BEAT EXPO」、Thursday&Friday 5:00~7:00「DASH FIVE!」を担当。選曲、構成、ミキシングを手がけるアメリカンスタイルでもオンエアをしている。BECK、NORAH JONES、CLEAN BANDIT、ALABAMA SHAKES、OWL CITYなど海外アーティストへのインタビューも多数。

https://www.festival-life.com/50582.html

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