北海道の中心に位置する新得町の屈足湖畔で開催される「GANKE FES」。6年目を迎える本フェスは、「アウトドアの聖地」と呼ばれる新得町の魅力がたっぷりつまったローカルフェスティバル。アクティビティやキャンプを楽しめるほか、今年は、UKULELE GYPSY(キヨサク from MONGOL800)、Kan Sano、THREE1989、DJやついいちろう、Rickie-Gといったフェス好きのツボを抑えたアーティストが出演する。
今回はそんな「GANKE FES」の主催者・友定雄平氏にインタビューを実施。フェスをはじめたきっかけから、参加する際のおすすめの過ごし方、さらに今後の展望までを語ってもらった。
「GANKE FES」主催者インタビュー
まずは自己紹介をそれぞれお願いします。
「GANKE FES」実行委員会の代表をしている友定といいます。本業は酪農業です。フェスの運営は、「三友農場」という酪農法人を経営する家庭に産まれた幼馴染3人、友定雄平、鳥本健太、鳥本純平(兄弟)の3人で運営しています。
そもそも「GANKE FES」がどんなフェスなのか教えていただけますか?
「GANKE FES」は2014年にスタートした、今年で6年目のローカルフェスです。来場者数は1000人程の小さなフェスで、会場は僕たちの生まれ育った北海道のど真ん中、新得町にある屈足湖畔で、フェスの名前にもなっている「ガンケ」とよばれる崖の麓で開催されるのが特徴です。
ガンケというは崖の名前だったんですね。
そうです。フェス会場である屈足湖の側には、大きく切り立った崖があって、昔アイヌの人たちはこのガンケは神が座る場所と信じ、カムイロキ(神の座)とよんでいたそうです。
そもそもフェスがはじまったきっかけも教えてもらえますか?
最初は「新得町を盛り上げたい!新得町で面白いことをしたい!」という思いから、スキー場のロッジを借りてDJイベントをやったり、公民館のホールでフリーマーケットのイベントをやったり、色々やってみたのですが、やっているうちに、町に眠っている資源を掘り出して発信して、町民や他の町の方にも地域の持つ価値を知ってもらうというのが大切なんじゃないかと思うようになったんです。
既存のものの価値を見直してみたわけですね。
そんなときに仕事中、畑の中から見たいつも見ている風景が実は価値があるというか、すごく良い場所なんじゃないかと思ったんです。広大な牧草地、パークゴルフ場、湖、温泉、クライミングタワー、カヌー、ラフティング、そしてガンケ!突然、もうここでフェスやるしかないと閃いたんです(笑)。
すでにあった場所とすでにあるコンテンツでフェスができるんじゃないかと。
そうです。そして小さい頃に地域の学習で、ガンケは特別な場所だと聞いたのを思い出して調べてみると、アイヌの人々に神の座と呼ばれていたこと、アイヌの神話が残っていること、徳川埋蔵金の噂があること、地質学的にも重要な場所であることを知って。そういう話を幼馴染に伝えると一気に盛り上がってフェスをはじめることになりました。
ちなみに影響を受けたフェスってありますか?
北海道民なのでやっぱり「ライジングサン」ですね。初めて参加したときは衝撃を受けて、フェスの魅力に取り付かれましたね。他にも個人的におすすめなのが、これも地元で、同じ十勝で開催されるDIYフェス「宇宙の森フェス」です。
考え方や方向性が似ているフェスってありますか?
フェスが直接影響を受けているというわけではなくて、最近の話になるんですが、「タイコクラブ」を主催していた安澤太郎さんの考え方に共感しますね。フェスの成り立ちなどを綴ったnoteを読ませてもらって、フェスのレベルは全然違いますが、考えている方向が似ているところもあって、リスペクトしています。
「GANKEFES」の今後の展開はどう考えていますか?
フェスの規模をどんどん大きくしていきたいとは思っていなくて。そういうことよりも、フェスを通じて、「新得町が面白い!ここでなんかやってみたい!」と思ってもらうことで、面白い人や出来事が少しずつ集まってくるような流れを作れたらと思っています。
フェスがきっかけで人が集まってくるような流れを作ると。
そうですね。フェスでも提供している音楽やアート、アウトドアが町にあふれて、駅前にアウトドアショップができたりするような文化を作っていきたいと思っています。
おすすめの過ごし方&注意点は?
今年の見所やおすすめの過ごし方を教えていただけますか?
今年の出演アーティストは、UKULELE GYPSY(キヨサク from MONGOL800)、DÉ DÉ MOUSE、DJやついいちろう、フェスの顔とも言える3アーティストの出演が決まって、さらに3年オファーし続けて実現したRickie-Gも出演してくれます。あとニューアルバム『Ghost Notes』リリース後、道内で初のライブとなるKan Sanoは絶対見てほしいですね。
フェスで人気の若手勢も多く揃っていますね。
フェスシーンでも注目度が高まっている、warbear、Yon Yon、THREE1989、そして札幌出身のThe Cynical Storeといったアーティストの出演が決まっているので、ぜひチェックしてほしいです。
また他の音楽フェスと比べてアーティストとの距離が近く、間近で好きな音楽を聴けるのも「GANKE FES」の特徴です。お子様連れの方にとっては、あまり広くない会場なので、親の目も届きやすく、子どもが疲れたらすぐ休む場所もあるので、 安心して子どもと遊びながら音楽を楽しむことができます。
音楽以外のアクティビティも充実しているとのことですが、おすすめの過ごし方などはありますか?
カヌー、ラフティング、SUP、麦稈パルクール、テントサウナ、スケートボード、BMXなど、音楽を聴きながらアクティビティやワークショップなど、思いっきり自然で遊べるフェスになっていて、汗をかいたら直ぐに温泉にも入れます。おすすめのアクティビティはカヌーで、湖の上でガンケに響く音楽を聴くのは格別ですね。
今年はサウナもあるとか?
そうなんです!民間ロケットで話題の大樹町にある、MEMU EARTH HOTELが大森ガーデン、Moving innとトリプルネームで手掛ける、大自然の中のサウナエリア「GANKE EARTH Sauna」も登場します。
この時期の北海道の気候はどんな感じですか?
昼は半袖Tシャツでも汗が出るほど暑いのですが、夜は少し肌寒くなるので、上着の用意を忘れずに持ってきたもらえたらと思います。
はじめて参加する方に向けて気をつけておくことなどありますか?
宿泊に関してはキャンプをされる方が多いですが、周辺にホテルもあり、フェスのオフィシャルサイトで紹介しています。ただ会場付近、徒歩圏内にはコンビニなどはないので、十勝ファーマーズマーケットさんとコラボするフードエリアで食べて飲んで楽しんでもらいたいです。
それでは最後に何か一言あれば!
色々大変なこともあって、辞めてしまおうかと思った時期もありましたが、遊びに来てくれる皆さんに応援され、なんとか6回目の開催を迎えることができました。関係者一同、精一杯最高に楽しいフェスを作りますので、ぜひ遊びに来てください!7月6日(土)にガンケでお会いしましょう!