2018年8月24日(金)~26日(日)の3日間、富山県南砺市の福野文化創造センターヘリオスで開催された「SUKIYAKI MEETS THE WORLD’18」(通称、スキヤキ)。このフェスの特徴は、世界の文化を体験できるワークショップやライブを通して見えてくるものに、独自の視点でスポットライトを当て、ミュージックフェスティバルを作り上げていること。また開催地域との関係も密接で地元のマーチングバンドや出演アーティストに加えて、参加希望者を募って事前に練習会を行い披露されるパレードは、スキヤキの目玉イベントにもなっています。そんな貴重な体験ができる「SUKIYAKI MEETS THE WORLD」の魅力をご紹介します。
「SUKIYAKI MEETS THE WORLD」とは
「SUKIYAKI MEETS THE WORLD」は、今年で28回目の開催を迎えた日本最大規模のワールドミュージック・フェスティバルで、200名を超えるボランティアスタッフによって企画・運営されています。市民参加型フェスティバルとして、開催前には、市内外の公園や子ども向けのワークショプなども行われます。8月下旬には、富山県南砺市の円形劇場ヘリオスを中心にいくつかのステージが設けられ、各国からやってきたアーティストがライブが行われます。多国籍感溢れるラインナップは、フジロックのオレンジコートを思い出させるような雰囲気で、このフェスならではの特徴となっています。また、ライブ以外にも、海外文化や日本文化を独自の視点で体験できるワークショップが充実しており、アーティストのライブを見るだけではなく、国の内情や文化の違いを知ってからライブを見ることができます。
複数ステージで楽しむワールドミュージック
今年は、メインステージの円形劇場ヘリオスを中心に、「ヘリオスステージ」、「ナイトステージ」、「ガーデンステージ」の3つのステージに加え、無料で楽しめる「よつかどステージ」に分かれて開催されました。ヘリオスステージでは多国籍のRAPHAEL GIMENES & AS MONTANHAS DE SOM、シリアとイスラエルの国境に位置するゴラン高原からやってきたTOOTARD、2012年にフジロックにも出演したLINDIGOが出演。日本からは、今年フジロックのパレスオブワンダーを沸かせた民謡クルセーダーズ、毎年迫力あるパフォーマンスで会場を一体化させるSUKIYAKI STEEL ORCHESTRAらが登場。ナイトステージでは、橋の下世界音楽祭主宰であり、TURTLE ISLANDの愛樹率いるALKDO、沖縄のCHURASHIMA NAVIGATORなどがスキヤキの夜を彩りました。
出演アーティストをさらに身近に感じられるワークショップ
福野文化創造センターアートスペース内で行われたワークショップでは、魅力的なプログラムが盛りだくさん。今年は、講師に堀内加奈子(チュラシマ・ナヴィゲーター)を迎えて、沖縄民謡を実際に体験できる「ハイタイ!沖縄音楽入門」や、出演者であるLINDIGOがマロヤというレユニオン島の盆踊りをレクチャーする「インド洋の黒いグルーヴ“マロヤ”ワークショップ」などが行われました。普段なかなか体験できない音楽や文化を身近に体験できるワークショップは、スキヤキならではのコンテンツです。
会場周辺を練り歩くパレードは子どもから大人まで参加
26日(土)夕方に行われたスキヤキパレードには、事前に開催されたブラジルのリズム「マラカトゥ」ワークショップ for kidsに参加した小学4年生から高校生がさまざまな楽器を持って出演。その他にも地元のマーチングバンドやスキヤキ巨大人形隊・バッキバ・トゥーマラッカなども加わり、会場から少し離れたよつかどステージからガーデンステージまでを練り歩きます。パレードでは海外のリズムと日本のリズムが合わさり、一つの音になる瞬間に大きな歓声が上がります。お客さんの中にもスタート地点からパレードと一緒に練り歩く人もいて、毎年このパレードを楽しみに、足を運んでいる人がいるというのも納得です。
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SUKIYAKI MEETS THE WORLD 2017
北陸地方の歴史あるフェス「SUKIYAKI MEETS THE WORLD」。筆者も毎年足を運んでいますが、28回目の現在も試行錯誤しながら前進し続けていることを毎年感じます。日本ではなかなか見ることができない、出演アーティストや、異国のリズム、さらには気軽に参加できる楽器を使ったワークショップを通して、様々な国の文化や情勢を肌で感じることができます。富山県の南砺市という小さな地方から発信するワールドミュージックフェスティバル、未知なる音楽や異国のリズムと出会いに、足を運んでみてはかがでしょうか?
Photo by Official
Text/来場者SNAP by nadia